臆病な恋心~オフィスで甘く守られて~
「ごめんね、俺が悪いんだ。取引先からの電話が長引いてしまってね。待たせて申し訳ないね」
右手に持っていたスマホをポケットにしまう航平が、楠本の後ろから姿を見せた。
「いえいえ、全然大丈夫です。ね、麻由子。速水さん、お疲れ様です」
千尋はにこやかに微笑んで、後ろに隠れようとする麻由子を前に押し出す。にこやかな笑顔から想像もつかないくらい強い力で。
「うん。あの、速水さん、お疲れさまです」
「うん。二人とも気遣ってくれて、優しいね、ありがとう。じゃあ、行こうか」
航平と楠本が並んで前を歩く。千尋と後ろを歩く麻由子は航平から視線を外せなかった。
後ろからならずっと見ていられる自信があった。正面からだと見続けることは出来ないけど。
楠本と笑いながら話す航平の横顔がたまに見えるたびに胸がときめいていた。
いつもよりも間近で見られる笑顔。もうこれだけで十分だと思うくらい胸がいっぱいになる。
右手に持っていたスマホをポケットにしまう航平が、楠本の後ろから姿を見せた。
「いえいえ、全然大丈夫です。ね、麻由子。速水さん、お疲れ様です」
千尋はにこやかに微笑んで、後ろに隠れようとする麻由子を前に押し出す。にこやかな笑顔から想像もつかないくらい強い力で。
「うん。あの、速水さん、お疲れさまです」
「うん。二人とも気遣ってくれて、優しいね、ありがとう。じゃあ、行こうか」
航平と楠本が並んで前を歩く。千尋と後ろを歩く麻由子は航平から視線を外せなかった。
後ろからならずっと見ていられる自信があった。正面からだと見続けることは出来ないけど。
楠本と笑いながら話す航平の横顔がたまに見えるたびに胸がときめいていた。
いつもよりも間近で見られる笑顔。もうこれだけで十分だと思うくらい胸がいっぱいになる。