臆病な恋心~オフィスで甘く守られて~
「もう、恥ずかしいなー。ごめんね。あれ、うるさいから邪魔かもしれないけど」

「ううん、全然気にしてないよ。それに邪魔じゃないってば」


会社を出て、徒歩10分のとこにあるアジアンレストランに入った。後からもう一人来るからと、四人用のテーブル席をリクエストする。

「さて…楠本くんとどうなったのか教えてよ。いきなり楠本くんだけが戻ってきて一緒に帰ると言うからビックリしたよ」


麻由子は楠本が来るまでに聞き出そうと話を急いだ。


「うん、付き合うことになったよ」


千尋は顔色を変えず、置かれたばかりの生春巻きを食べながら答えた。

なんてことはないという感じに、さらりと答える千尋に麻由子は苦笑いする。


「そんな普通なの?」

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