臆病な恋心~オフィスで甘く守られて~
何度思っても無理なことだ。


「おいおい、そんなに麻由子を責めるなよ」


予定よりも早く終わった楠本がいつの間にか現れ、千尋の隣りに座った。


「楠本…早いわね」

「お待たせー!超特急で終わらせたぜ!」


妙にハイテンションだ。恋が実った者だから、仕方ない。嬉しい、幸せだと顔に書いてある。


「麻由子が襲えるようになっちゃったら、世の中、肉食女子ばかりになっちゃうだろうな」


そう言って、笑う。肉食女子ばかり…想像するだけで恐ろしい。

千尋と楠本は仲良く寄り添って、何を食べようかとメニューを見る。


ここにいるのはお邪魔かも…目の前で仲の良くする2人の見て、麻由子はここにいてはいけない気分になった。付き合い始めたばかりの二人はラブラブオーラが全開だ。
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