臆病な恋心～オフィスで甘く守られて～

航平が出張から戻ってきた翌日の朝。

今日こそ！

麻由子は気合いを入れて、会社に向かった。


会社が見えてきた時、航平の姿を10メートル先に発見した。

いた…歩くスピードを早める。急がないとエレベーターに乗ってしまう。

航平が会社に入ったのが、見えた。麻由子が必死に早足を進めるので、少しずつ距離が縮まっていた。


麻由子がやっと会社に入った時、ロビーで立ち止まっている航平が見えた。

航平は誰かと話をしていた。あと少しの距離にいるが、麻由子は接触するのを躊躇う。

航平が話していた相手は医務室の美里だった。美男美女が並ぶ姿は絵になる。麻由子は前に進むことが出来なくなってしまった。

１人立ち止まる麻由子を何人かの社員が不思議そうに見て、通りすぎていく。


「じゃ、いつでも来てね」