臆病な恋心～オフィスで甘く守られて～

んー、何を話そう？


自然に話題なんて出せない麻由子は前もって、話すことを考えていた。

「えーと、明日のお天気は…」


明日は気温が低くなるものの、晴れるでしょうとテレビの中のお天気キャスターが告げていた。ついチェックしてしまう天気予報…これではまた天気の話で終わってしまう。

話の幅を拡げなくてはならない。


（んー、明日は金曜日だから…そうだな…）


「よし！」


麻由子は抱えていた抱き枕に力を込める。考えがまとまって、決心は出来たようである。


「でも、すごくドキドキするー。大丈夫かなー」


緊張でなかなか寝付けなくて、何度も脳内シミュレーションを繰り返した。朝の短い時間、簡潔で濃い内容にするためだ。失敗しませんように。