臆病な恋心~オフィスで甘く守られて~
航平と並んで歩く麻由子の心臓はかなりの速度で動き出す。天気予報でない話が出てきた!


「あ、はい。大阪まで行かれるんですよね?」


頑張って、出来るだけ長く話すように続ける。「はい」だけでは、会話が終了してしまう恐れがあるから。


「うん、日帰りだから、結構きついんだけどね」


苦笑いする。


「確かに日帰りだと疲れますよね。頑張ってください」


あ、話を終わらせてしまった?

麻由子は少し落胆したけど…


「買える時間があるか厳しいんだけど、買えたらお土産買ってくるからね」


嬉しいことに、航平が話を繋げた。話は終わってない。まだ続けられる。麻由子の心が弾む。

でも…

「そんな、忙しいのに悪いですよ」

かなり恐縮した。
< 62 / 255 >

この作品をシェア

pagetop