臆病な恋心~オフィスで甘く守られて~
気付かれてしまった恋心が恥ずかしくなった麻由子は、慌てて薬を飲んで、横になった。コップはサイドテーブルに置く。

美里は優しく微笑んで、置かれたコップを持ち、そっとカーテンを閉めた。


1時間くらいして、麻由子は話し声が聞こえてきて、目が覚ます。まだ熱は下がっていない。天井をぼんやり見る。

ここは、確か医務室…。ベッドから体を起こすと、閉められたカーテンの隙間から千尋の姿が見えた。


「千尋?」


麻由子の呼ぶ声が聞こえて、千尋はカーテンを開けた。麻由子を心配して様子を見に来たのだった。麻由子が寝ていたから、美里から状態を説明してもらっていた。

「多分ただの風邪」と言われて、安心していた。


「麻由子ったら、もう!大丈夫?」

「うん。少し寝たから、大丈夫」

「倒れたっていうから、ビックリしたよ」

「心配かけて、ごめんね」


麻由子はベッドから出ようと足を出す。
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