臆病な恋心~オフィスで甘く守られて~
3人に押し切られ…航平が運転する営業車の助手席に麻由子は座った。

ただ隣りに座るだけで、心臓の動きが早くなる由子はまた熱が上がったのか、顔が赤くなっている。


「まだ熱があるみたいだね。寝ていていいからね。着いたら起こしてあげるから」


航平が優しく言い、シートを倒す。


「大丈夫です。本当にすいません…」


ひたすら申し訳ないと思う麻由子はまた恐縮する。


「本当に、謝らなくていいから」


麻由子は横目でちらちらと航平を見ているうちに眠ってしまった。

眠る麻由子に航平は自分のスーツの上着をかける。それから、少し息づかいが苦しそうに見える麻由子の頭を撫でた。



麻由子の家の近くにあるコンビニの駐車場に車が止まる。振動が止まったことで麻由子は目を覚ました。


「ごめんね。ちょっと待っていて。すぐに戻るから」


急いで降りていく航平をうつろな目で見た。

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