臆病な恋心~オフィスで甘く守られて~
戻ってきた航平はビニール袋を麻由子に渡す。


「はい、お見舞い。大したものじゃないけど、しっかり食べて元気になって」


重い袋。何が入っているのかと袋を開けてみる。レトルトのお粥、鍋焼きうどん、プリン、ヨーグルト、イオン飲料が入ってた。

送ってもらえるだけで、十分嬉しいというのに…お見舞いだなんて、優しすぎる。

麻由子は航平の優しさにひたすら感動する。


「本当にすいません…それに、この上着もすいません」


しかし、また何度も謝ってしまうから


「クスッ、だからー、謝らなくていいって」


また同じことを言われてしまう。どう返していいか分からなくなった麻由子は窓の外を見た。


「ありがとうございます」

「うん、どういたしまして」


麻由子はもらったお見舞いの品を抱えて、車を降りる。

歩き始めるとひょいと持っていた袋が宙に浮く。
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