臆病な恋心~オフィスで甘く守られて~
「美味しそう。卵入れようかな」


冷蔵庫から出した卵を割って、真ん中に落とした。半熟になったところで火を止め、完成。


「美味しい!」


具合が悪い人とは思えない速さで食べていく。


ピンポーン


こんな時間に誰だろう?新聞の勧誘かな?

箸を持ったままで、インターホンのモニターを見た。そして、そこに映る人物を見て驚いた。


「は、はい…」


声が上擦る。予想もしない人物だったからだ。


「速水だけど」

「は、はい」


名乗られなくても航平だと見て、分かる。


「大丈夫?姉ちゃんからお見舞いを預かってきたんだけど、少しいいかな?」

「はい!今開けますね。お待ちください」
< 79 / 255 >

この作品をシェア

pagetop