臆病な恋心～オフィスで甘く守られて～

今、二人が話している場所は社内食堂。

窓が大きく明るく開放的な雰囲気があるこの食堂は社員に人気がある。二人もほぼ毎日ここで食べている。


「二人はいつも一緒にいて、仲がいいね。俺もここで食べていいかな？」

「速水さん。あ、はい。どうぞ」


麻由子の隣りにカツカレーセットを持った航平が座った。


千尋が麻由子に目配せする。


今よ、今言うのよ。さっき言ってたことを！ほら、早く！


千尋からの威圧感たっぷりのテレパシーを受け…うんと頷く。


「あ、あの…速水さん、今度…」

「ん？あ、そうだ！」


麻由子が言い終わらないうちに航平が口を挟んだ。


「はい？」


麻由子は自分が言おうとしていたことを忘れて、速水が言おうとしていることに耳を傾ける。