臆病な恋心~オフィスで甘く守られて~
先に来ていた二人は既に酔っていて、上機嫌になっていた。


「まだかなー。早く来ないかな」


千尋は楠本に肩に甘えるようにもたえている。



居酒屋に入る時、航平は足を止めた。どうしたのだろう?

麻由子は航平を見る。


「そうだ、ちょっとびっくりさせようか?」

「え?びっくりですか?何を…」


いきなり航平は麻由子の手を握った。


「手を繋いで入ってきたら、あの二人、びっくりするだろうな」


茶目っ気たっぷりの顔で楽しそうに言う。


それより先にびっくりしているのは隣りにいる麻由子なのに、気付いていない。

手を握られた麻由子はまだ飲んでもいないのに、顔が赤くなった。



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