臆病な恋心~オフィスで甘く守られて~
航平に促されるまま、千尋たちが待つテーブルに向かう。


「遅くなって悪かったね。お待たせ」

「お疲れ様でーす…えっ?」

「ええ?どうして?手を?」


航平の予想通り、楠本と千尋は手を繋いでいる二人を見て、驚いた。


「ほら、やっぱりびっくりした。ね、麻由子ちゃん」


繋いでいた手を離し、航平と麻由子は並んで座る。


「え?俺たちを騙したんですか?」

「ちょっとびっくりさせようと思ってね」


ドッキリ成功だと満足げに航平は笑う。恥ずかしくなる麻由子はそっと笑うことしか出来なかった。


「なんだ、いつの間にか2人は上手く行ったのかと思いましたよ」


麻由子の気持ちを知る楠本が残念そうに言う。





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