臆病な恋心~オフィスで甘く守られて~
「なんだー。麻由子、残念だね」

「ほんと、ほんと、思いが通じたのかと思ったのに」


酔っていて上機嫌な楠本と千尋は何も考えていないようで、能天気に爆弾発言を繰り返す。


「ちょっ、ちょっと!変なこと言わないで」


麻由子は慌てて二人を制して、航平をチラッとする。

どうか今の発言を聞いていませんように…
気にしていませんように…酔っ払いの戯言だと思っていますように。


しかし

大きな声で言っていたからちゃんと聞こえていた。

航平は麻由子をキョトンと見ていた。


「あ、あの…い、今二人が言ったことは…」


見られていた麻由子は航平に言い訳をしようとするが、しどろもどろになるだけで、言葉が出てこない。うまい言い訳が出来ない。

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