臆病な恋心~オフィスで甘く守られて~
このまま、こっそり帰ってしまおうかとする麻由子は出入り口に足を向けた。


その時…


「麻由子ちゃん!」


航平が麻由子の腕を掴んだ。突然のことにびっくりして、麻由子は振り向く。


「戻って来ないから心配したよ。どっちに行くの?席はこっちでしょ」 


戻らない麻由子の様子を見に来た航平は帰ろうとする後ろ姿を見て、慌てて引き止めた。


「す、すいません」


また謝ってしまう麻由子。


「ほら、謝らなくていいから戻るよ。千尋ちゃんたちも待っているから」


麻由子は、航平に手を引かれて、席に戻る。




 



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