臆病な恋心~オフィスで甘く守られて~
「麻由子~、大丈夫?ごめんね。余計な事、言っちゃって…」


逃げた麻由子を見て、言ってはいけないことを言ってしまったことに気付いて、千尋は酔いがさめた。千尋も楠本も反省していて、しょんぼりしていた。

そんな千尋に「大丈夫だよ」と麻由子は弱々しい笑顔を見せる。


それからは、その話には一切触れないで、会社の話など他愛のない話で盛り上がる。



「そろそろ帰りますか?」

楠本が時計を見る。


もうすぐ10時になろうとしていた。

「俺は千尋と一緒に帰るけど、麻由子はどうする?一緒にタクシー、乗っていく?」


楠本が気遣ってくれたが、麻由子は2人の邪魔をするのは悪いから1人で帰ろうと思った。

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