恋獄 ~ 囚われの花 ~【完】
花澄の婚約者にして、花澄が憧れている男。
――――自分にないものを、全て持っている男。
今の環がいくら努力しても、望んでも、手に入らないものを持っている男。
花澄の心も、体も……全てを手に入れることが許された、男……。
自分の足で立てるようになったとき。
……花澄の隣に、誰がいるのだろうか。
自分は……
……間に合うのだろうか。
考えても詮無いことだとはわかっている。
それでも、考えずには……望まずには、いられない。