恋獄 ~ 囚われの花 ~【完】
「……? お客様?」
「あっ、すみませんっ」
「こちらがカラーのリストとなります。お好きな色を一色、お選びくださいませ」
店員は花澄にカラーリングで使う色見本を差し出した。
この中から一色選ぶらしい。
しかし様々な色があるため、目移りしてしまう。
迷っていると、店員が花澄の手を見ながら言った。
「お客様は色白ですので、こちらの色はいかがでしょうか?」
と店員が勧めたのは、少し濃い目のパールピンクだった。
桜の花びらの赤味を少し強くしたような色だ。
綺麗かも、と思った花澄はコクリと頷いた。
「……では、その色でお願いします」