恋獄 ~ 囚われの花 ~【完】
「まぁでも、たまには必要だよね。女らしさを磨くって意味でもさ」
「そうだね~……」
「相沢君、気付くかな? ……ま、幼馴染って言ってもそこまでは見ないか?」
「……え?」
知奈の言葉に、花澄は目を丸くした。
なぜここで環の話が出てくるのか。
知奈はテーブルに片肘をつき、瞳の奥を光らせ、じーっと花澄を見つめる。
楽しげな、それでいて探るような視線。
……なんとなく、居心地が悪い。
視線を逸らした花澄に、知奈はなぜか小声で言った。
「ね、花澄。……相沢君とはどうなってるの?」
「どうなってる、って……」
「アイツさ、今日も告られてたよ。しかもなんと2人。ま、明日から夏休みだから、あわよくばって感じじゃないのかな」
あわよくば、って……。
しかし2人とはすごい。
さすが環というか、何というか……。
驚く花澄に、知奈は続けて言う。