恋獄 ~ 囚われの花 ~【完】
3.ただ一人のお嬢様
12:00。
散歩から戻った花澄は部屋に戻り、軽くシャワーを浴びて着替えた。
この別荘の部屋には全てバス・トイレが完備され、ホテルのような仕様になっている。
「うーん、お腹すいたな~……」
花澄はロングスカートにカットソーという格好で廊下に出た。
パーティは14時からということだが、軽食か何かあるだろうか。
花澄は廊下の奥へと視線を投げた。
……ホールの方からざわめきが聞こえる。
パーティの参加者は今回は50人くらいだと雪也は言っていた。
そろそろ、他の客たちも到着した頃かもしれない。
花澄はホールに入り辺りを見回した。
ホールの一角には来客者用の軽食コーナーが設置され、環を含め3人ほどのサーヴァントが客の求めに応じてコーヒーやサンドイッチなどを提供している。
――――あそこで何か貰えるかも。
と、足を踏み出した瞬間。