恋獄 ~ 囚われの花 ~【完】
――――しかし、その後。
花澄は放課後、背後に誰かの気配を感じることが多くなった。
その気配は決まって、花澄が放課後に図書室などに行こうとするときや下校しようとするときに現れる。
しかし振り向いて誰なのか確認しようとしても、相手は素早く隠れてしまうためまだ姿を確認できていない。
「……なにソレ。大丈夫なの?」
……とある日の昼休み。
知奈に相談すると、知奈は心配そうに花澄を見た。
「今のところ危害を加えるわけでもないみたいだし……」
「何言ってんの、アンタ。尾行されてるんでしょ? 人間なのか動物なのか幽霊なのか知らないけど、尾行されてるって只事じゃないよ。……相沢君には言ったの?」