恋獄 ~ 囚われの花 ~【完】
「お願いっ! 英語の文法がわからないのっ」
「教科書を読め」
「教科書を読んでもイマイチわからなくて。だからお願い、教えてっ」
花澄は必死に頭を下げた。
……もう、イチかバチかだ。
環は花澄をじーっと見つめた後、仕方がないと言ったようにため息をついた。
「……入れ」
「環……っ」
「一時間だけだ。10時まで勉強を見てやる」
「うん、ありがと、環!」
不承不承といった体で環は部屋の中へと戻っていく。
花澄もすぐにその後に続いた。