恋獄 ~ 囚われの花 ~【完】
「……お仕事お疲れさま、雪くん」
「花澄ちゃんも、お疲れさま。……なんだかあっと言う間だったな、生徒会も」
「そうだね……」
花澄は生徒会に入った時のことを思い出した。
……一年の一学期。
雪也と美鈴は最初から生徒会に入ることを決めていたが、花澄はその頃、どの部活に入るか迷っていた。
そして一学期の終わりに、特に決めてないなら生徒会に入らないかと雪也から声をかけられ、生徒会に入ることを決めた。
庶務だったが、いろいろな仕事をすることができたため、それなりに得るものは大きかった気がする。
花澄は雪也からチョコのパフェを貰い、封を開けながら雪也に聞いてみた。
「ねえ、雪くん。なんで私を生徒会に誘ったの?」
と、花澄が聞くと。
雪也はしばし思案した後、口を開いた。
「この高校に入った時から、君と環は文系、俺と美鈴は理系だっただろ?」
「うん」
「環は文系だから君と3年間同じクラスになるけど、俺は理系だから同じクラスになることはない。だからだよ」