恋獄 ~ 囚われの花 ~【完】
――――ずっと、好きだった。
――――嘘じゃない。
――――家族じゃない。
――――おれにとって、お前は女だ。
環の言葉に何一つ嘘はない。
……ただ、自分が忘れていただけだったのだ。
涙がとめどなく流れ落ちる。
環は涙に濡れた花澄の頬を両手で包み、そっと上向かせた。
……熱を帯びた、切なげな瞳。
いつもの冷やかさなどどこにも感じられない、熱い瞳……。
「……好きだ」
「環……」
「お前が信じるまで、おれは何度でも言う」
環の言葉に、花澄は軽く首を振った。
……もう、環の心はわかっている。
痛いほどに……苦しいほどに……。