恋獄 ~ 囚われの花 ~【完】
花澄は頭を抱えて机に突っ伏した。
……あれから4日。
環はこの4日間、これまでと同じように花澄に接している。
家では執事として、学校では普通のクラスメイトとして……。
けれど二人きりになると、これまでとは違った表情を見せるようになった。
……切なげな、辛そうな瞳。
能面のような冷たい表情の下に隠していた、環の本当の感情。
あの瞳が、表情が、あれは夢ではなかったのだと花澄に告げる。
あのことを忘れていた自分にも非があるが……
環の告白は花澄にとっては青天の霹靂だった。
まるで予想もしないところから、突然頭を殴られたような衝撃。
花澄は無意識のうちに自分の唇に手を伸ばした。
「……っ」