恋獄 ~ 囚われの花 ~【完】
美鈴の言葉に、花澄はぐっと唇を噛みしめた。
……何も言い返せない。
客観的に見て、美鈴の方が雪也と釣り合うということは花澄もわかっている。
しかしそれを、当人からここまではっきりと突きつけられるとは思ってもみなかった。
「……そのことを、忘れないで頂戴。言いたいことはそれだけよ」
美鈴は言い、くるりと踵を返した。
何者をも寄せ付けないその背中。
花澄はなすすべもなく、その背をじっと見つめていた……。