恋獄 ~ 囚われの花 ~【完】



その日の夜。

23:00。

花澄は自室のベッドの上で、雑誌を開いていた。

『今年のクリスマスはガーリーで! 彼氏の心を掴む勝負服特集!』


「…………」


既に世の中の女子はクリスマスの準備を始めるシーズンらしい。

文化祭の前日に買ったその雑誌を、花澄はパラパラとめくっていた。

……しかし。


――――まるで集中できない。


花澄はばさっと雑誌を閉じ、ベッドの上に放った。

買ってきた日には『ふむふむ』と納得しつつ読んでいたのだが、あの夜以来、活字が全く頭に入ってこない。

明日は期限なのに、どうしよう……。

花澄はぼふっと枕に顔を突っ込んだ。


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