恋獄 ~ 囚われの花 ~【完】
3.脅威の正体
――――翌日。
体育祭の日。
花澄は100メートル走とリレーに出た後、知奈とともに中庭で休憩していた。
時計はまだ10時を回ったところだ。
「は~。ったくタルいわ。なんで3年なのに、こんな時期に運動しなきゃいけないワケ?」
「はは……」
花澄は芝生の上で膝を抱え、知奈を見た。
知奈は花澄の顔を覗き込むようにまじまじと見、眉を顰める。
「あんたさ。……日に日に、顔がヤバくなってるんだけど。大丈夫なの?」
「あー……うん。大丈夫」
「……って、大丈夫なワケないでしょ!?」
知奈は叫ぶように言い、がしっと花澄の両肩を掴んだ。
キッと花澄を見据え、強い口調で言う。
「いい加減言いなよ! 一体ナニがあったの!?」
「……っ、それは……」
「今日こそは聞き出すからね! さあ言え! ほら言えー!!」
「やっ、やめ……知奈……っ」