恋獄 ~ 囚われの花 ~【完】
しかし花澄の叫びも空しく、男は花澄を高跳び用のマットレスに突き飛ばした。
すかさず花澄の上に乗り上げ、花澄の両手を軽々と頭上で抑え込む。
花澄は男の目を見、息を飲んだ。
……欲情に満ちた、男の目。
なぜ自分がこんな目に遭うのかわからない。
涙目になる花澄に、男は少し笑って言った。
「悪いね。あんたをヤれば、花井さんがオレとデートしてくれるっていうからさ~」
「……は?」
男の言葉に、花澄は頭が真っ白になった。
……花井さん?
というのは確か、プリンセスの子で、確か環が振った……。
硬直した花澄に、男は続けて言う。
「あんただろ? 相沢先輩の周りをうろついてる女って」
「……っ!」
「あんたを相沢先輩から引き離せば、一回ヤらせてくれるって言うからさ。だから悪いけど、オレにヤられてくんない?」