恋獄 ~ 囚われの花 ~【完】
――――どうやら、そう思っているのは環も同じらしい。
花澄は環の答えに内心でほっとした。
しかし唇は止まらず、アイスを食べると言うよりはお互いの口の中のアイスの味を確かめ合うという感じになってしまった。
……明らかに、流されている。
しかし環に触れられると、口づけられると……そしてあの瞳を向けられると、花澄は何も考えることが出来なくなってしまう。
環の存在自体が、花澄にとっては媚薬と言ってもいい。
これまではそんなこと、思いもしなかったのに……。
今からこの調子では、この先が恐ろしい。
「……どうかしちゃったのかな、私……」
これまで誰かと付き合った経験がないため、流されるまま、闇雲に走り始めてしまった気もする。
しかも流されることに不安を覚えつつも、内心ではときめいているのだから――――始末に負えない。
しかし、焦っているのは自分だけかと思ったが、どうやらそれは環も同じらしい。