恋獄 ~ 囚われの花 ~【完】
「……もう7時だ。そろそろ起きるか?」
「……ん……」
花澄は首を回し、時計を見た。
時計の針は7時を指している。
花澄はぼんやりと時計を見ていたが、自分の首元で何かがシャラっと鳴ったことに気付き、首を傾げた。
見ると、自分の首に小さな星を象った可愛らしいネックレスが揺れている。
「あれ、これ……?」
「……今日はイブだからな。プレゼントだ」
「……!」
花澄は驚き、ネックレスをまじまじと見た。
胸元で揺れる、繊細な光を放つシルバーのネックレス。
見ているだけでじわりと温かい気持ちが湧き上がる。
環は花澄のこめかみに優しいキスを落とし、囁くように言った。