恋獄 ~ 囚われの花 ~【完】
3.暴かれた真実
――――そして、日は過ぎ……。
3月5日。
卒業式の翌日。
「…………」
9:00。
花澄は寝不足の目をこすり、ゆっくりとベッドから起き上がった。
一睡もできなかった。
……今日はフライトの日だ。
けれどまだ、花澄の心の中では結論が出ていない。
『おれは先に家を出る。お前は怪しまれないように、午後になったら買い物にでも行くふりをして鎌倉を出ろ。15:30に出発ロビーで待っている』
昨日の夜に環から届いたメール……。
花澄は何度もそれを読み返した。
携帯を持つ手が震え、胸がバクバクと動き出す。
――――どうしよう……