恋獄 ~ 囚われの花 ~【完】
「ん? どしたの、花澄ちゃん?」
「……」
花澄はとあるクレーンゲームの台を、食い入るように見つめた。
そこにあったのは……。
今朝、環が懸賞で当てた、あのストラップと全く同じものだった。
花澄は普段、ゲーセンには来ないのでクレーンゲームの商品には詳しくない。
しかし環は半年前に懸賞に応募したと言っていたような気がする。
半年経ち、クレーンゲームの商品として市場に出るようになったのだろうか。
「ゲーセンって案外穴場なのかも……」
と呆然と呟いた花澄の顔を、雪也が横から覗き込む。
「……? 穴場?」
「あ、えっと……」
首を傾げた雪也に、花澄は今朝あったことを簡単に説明した。
……話を一通り聞き終えたあと。
雪也は腕を組み、うーんと首を捻った。