恋獄 ~ 囚われの花 ~【完】
「……えっ!? 二つ!?」
「小さいから一つより、二つ狙いの方が掴みやすいんだよね」
雪也は余裕の表情でクレーンを操作する。
クレーンはストラップを二つ持ち上げ、落とし口の方へと戻ってくる。
……こんな技、見たことない。
と驚きのあまり凝視する花澄の前で、ストラップが落とし口に落ちる。
雪也はストラップを二つ取り上げ、片方を花澄に渡した。
「はい」
「……ありがとう」
「こっちは俺の。お揃いだね?」
「……!」
雪也の言葉に、花澄はカッと頬を染めた。
――――お揃い。
突然のことに、どう反応すればいいのかわからない。
けれど、……とても嬉しい。
心臓が壊れそうにドキドキする。
花澄は真っ赤な顔で、渡されたストラップをじっと見つめていた……。