m e m o r y**

・・・しっかし、噂以上にイケメンだ。

少し茶色がかった髪の毛、切れ長の目、早くも着崩した制服の隙間からは鎖骨が――ってどこ見てんだよ、あたし!!

1人ノリツッコミをしているとイケメンくんの手が視界に入ってきた。

「・・・はい。これ、あんたのでしょ?」

イケメンくんの手の中にはあたしのリップクリーム。
いつもよりちっちゃく見える。

「っあ!はい。そうです。
 ぁあありがとうございます。」

ペコっとお辞儀をしながらリップを受け取る。

イケメンくんは少し照れたのか髪の毛をわしゃわしゃと触った。

そのとき、ふわりと優しくて懐かしい香りがした。

――!?


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