m e m o r y**


「――っえ?」

うそ…まさかの人違い??

でも――っ。


あたしはイケメ…片桐くんを掴んでいた手を離した。


「あたしっ、橘ゆいだよ!?
 
 本当に覚えてないの・・・?」

胸の奥がザワつく。

しつこい女って思われたかな…。


「悪りぃ、覚えてないわ。てか人違いじゃない?」

片桐くんは困ったように笑うとあたしの横を通り過ぎて行った。
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