恋獄 ~ 紅き情炎の檻 ~
────先週の土曜。
レストランで食事をして店を出た後、暁生は花澄にこう言った。
『……そうですか、同窓会では仕方ありませんね。しかし夜の品川にあなたを野放しにするのも、なんだか心配だ』
『は、はあ?』
『というわけで花澄さん、同窓会が始まったら1時間おきに私に電話を入れてください。あと、同窓会が終わったらすぐに連絡をください。迎えに行きますから』
有無を言わせない口調。
唖然とする花澄に、とどめのように暁生は言った。
『もし承諾いただけないなら、同窓会の会場に監視の黒服を20人ほど手配致しましょう。あなたに何かあっては困りますから』
『……っ!?』
『それが嫌であれば、私に必ず連絡を入れること。わかりましたね?』
花澄は思わず仰け反った。
────相変わらず強引だ。
しかしなんというか……ただの遊びの人間に、普通そこまで要求するだろうか?
もちろんお金の分は働くつもりだが、暁生の考えていることは正直、よくわからない。