恋獄 ~ 紅き情炎の檻 ~
2.真実の影
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01:00。
夜闇の中、シェードの灯りが自らの影を壁に映し出す。
ゆらゆらと揺れるその影は、まるで自分の心の中を映しているかのようだ。
────胸に何度も蘇る、彼女の言葉。
『私、昔から、何かを『選ぶ』のが怖いんです』
その言葉を聞いた時、かつてない衝撃が胸を襲った。
ずっと自分は、彼女を強い人間だと思ってきた。
例え自分が傷ついても、確固たる信念を持ち、誰かのために行動することができる彼女。
八方美人的な面があるとわかっていても、だからこそそんな彼女を独占し、皆に等分に向けている愛情を自分だけに向けて欲しいと思っていた。
自分だけを選んでほしいと、心の底から願っていた。
……しかし。