恋獄 ~ 紅き情炎の檻 ~
3.恋愛の基礎体力
2月中旬。
日曜の午後。
花澄は有楽町マリオンの近くのカフェで、雑誌をめくりながらコーヒーを飲んでいた。
──── 一週間ほど前。
雪也から花澄のもとに、突然メールが届いた。
『あの夜はちゃんと話せなかったから、今度会って話をしたい』という内容だった。
花澄はしばし考えた後、了解の返事を打った。
あの夜、あんな中途半端な別れ方をしたことは花澄も気になっていたのだ。
花澄はコーヒーカップをカタンとソーサーに置き、時計を見た。
店に入ってから、既に20分ほど経っている。
と、そのとき。