恋獄 ~ 紅き情炎の檻 ~
3.夜の世界
その日の夜。
花澄は悩んだあげく、六本木へと向かった。
いろいろアルバイトを調べてみたのだが、最も賃金が高い引越作業などでも時間給が1500円ほどで、一週間ではとても40万など稼げない。
割のいい仕事となると、やはり夜の仕事しかない。
昼に日雇いのバイトをし、夜には夜の仕事をすれば、なんとか40万いくだろうか……。
もちろん、夜の仕事といってもソープなどには抵抗があるため、花澄はとりあえず前に名刺を貰ったキャバクラに行ってみることにした。
いつのまにか名刺を無くしてしまったので店の名前はうろ覚えだが、看板を見ればわかるだろう。
まずは話を聞き、一週間という短期でも雇ってもらえるのかどうか、聞いてみよう。
……雪也に知られれば激怒されるだろうが、一週間ならなんとか隠し通せるだろう。
と一大決心をし、店に向かった花澄だったが……。
六本木の街に着いた花澄は、きょろきょろと辺りを見回した。
そもそもどちらが繁華街の方面なのかわからない。