恋獄 ~ 紅き情炎の檻 ~



六本木通りと外苑東通りが交わる六本木交差点には、ひっきりなしに高級そうな車が行き来している。

外苑東通り沿いには夥しい数の飲食店のネオンサインが点滅しており、まさに不夜城といった感じだ。

六本木の周りは外資系企業や大使館が多いため、一歩路地に入ると、要人御用達の高級料亭や高級寿司屋、高級クラブなどが軒を連ねている。


こんなところで、自分は働けるのだろうか。


花澄は不安に思いつつ、外苑東通りの方へと向かった。

夜向けの店は、どうやらこちらの方に並んでいるらしい。

と歩道を歩いていた、そのとき。


「……あの、すみません」


横から声を掛けられ、花澄は足を止めた。

見ると、以前に新宿で声をかけてきた青年が花澄の方へと歩み寄ってくる。

なんという偶然なのか。

驚く花澄に、青年は言う。


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