恋獄 ~ 紅き情炎の檻 ~
その後。
花澄は青年に案内され、店へと入った。
店は路地裏の建物の二階にあり、一階は高級料亭となっている。
店の造りも小奇麗な和風で、入口や内装は一見、キャバクラという感じはしない。
店に入ると濃緋色のソファーや黒い卓が並び、奥には一面ガラス張りの大きな窓の向こうに、美しくライトアップされた和風庭園が広がっている。
客の入りもこの時間にしてはなかなかのようで、既に席の7割ほどが埋まっており、一人の客に2人ほどの女性が付いている。
花澄は奥の事務所の脇にある控室で面接を受けることとなった。
初めての面接に緊張していた花澄だったが、面接の内容は花澄が思っていたものとは全く違った。
部屋の真ん中にある机の上に並べられていたのは、和服一式だった。
「まずはこれを着てみていただけますか?」
「……えっ?」
「終わりましたら、お声をお掛け下さい」