恋獄 ~ 紅き情炎の檻 ~
「それは貴女の働きに対する正当な対価です」
「……でも、多すぎでは……」
「多すぎると言われたのは初めてですよ。あなたはそれだけの働きをしたのですから、どうぞお納めください」
栗山は笑って言う。
花澄はしばらく封筒を見つめた後、軽く礼をして懐へとしまった。
「……では、花澄さん。明日から20時出勤ということでよろしいですね?」
「は、はい。よろしくお願いしますっ」
どうやら栗山に認めてもらえたらしい。
一週間だけだが、とりあえずできるだけ頑張ってみよう。
花澄は姿勢を正し、栗山に深々と頭を下げた。