恋獄 ~ 紅き情炎の檻 ~
「花澄様っ!」
黒いスーツを着た男たちが、廊下の奥の方から花澄の方へと駆け寄ってくる。
……その数、3人。
凍りついた花澄の体を、男たちは問答無用で担ぎ上げる。
「あっ、あのっっ!?」
「いけません、花澄様。中にお戻りください」
黒服たちはあっという間に花澄をマンションの中に戻し、寝室のベッドの上に放った。
呆然とする花澄をその場に残し、男たちはささっと退散していく。
まさか、このバングルは……。
花澄の顔が一気に青ざめる。
これはひょっとして、自分の位置を発信する発信機なのではないだろうか?
自分が少しでもマンションから出たら、警報が鳴る仕組みになっているのでは……。
「…………」