恋獄 ~ 紅き情炎の檻 ~



「花澄様っ!」


黒いスーツを着た男たちが、廊下の奥の方から花澄の方へと駆け寄ってくる。

……その数、3人。

凍りついた花澄の体を、男たちは問答無用で担ぎ上げる。


「あっ、あのっっ!?」

「いけません、花澄様。中にお戻りください」


黒服たちはあっという間に花澄をマンションの中に戻し、寝室のベッドの上に放った。

呆然とする花澄をその場に残し、男たちはささっと退散していく。


まさか、このバングルは……。


花澄の顔が一気に青ざめる。

これはひょっとして、自分の位置を発信する発信機なのではないだろうか?

自分が少しでもマンションから出たら、警報が鳴る仕組みになっているのでは……。


「…………」



< 250 / 389 >

この作品をシェア

pagetop