恋獄 ~ 紅き情炎の檻 ~
「環! 起きて! 遅刻しちゃうっ」
「……起きたのか、花澄」
「そうだよ! 遅刻……って、え?」
見ると。
環はぱっちりと目を開け、意地悪そうな目で花澄を見ている。
花澄は思わず眉根を寄せた。
環はくすくす笑いながら花澄を抱き寄せ、頬に口づける。
「今日は祝日で休みだ。だからお前と一日、ここで過ごす」
「……って、え……っ」
「なにしろ7年ぶりだ。止めようと思っても体が言うことを聞かない。……というわけで、諦めてくれ、花澄。後で好きな物を何でも作ってやるから」
「え……えぇ────!?」
シーツの波間に、再び体を投げ込まれる。
抵抗も空しく、花澄は再び環の腕に囚われた……。