恋獄 ~ 紅き情炎の檻 ~
……7年を経て、大人になった環。
環は今、これまで培ってきた知識や経験を生かし、花澄や父を支えようとしてくれている。
言葉だけではなく、環の態度や行動で大人になったんだなとしみじみと思う。
自分も環のために、何かをしたい。
傍に居てくれるだけで、将来の約束をしてくれただけで十分だと環は言うが……。
考えてみたら、昔から環が花澄に何かしてくれたことはあっても、逆はあまりなかったような気がする。
自分が環のために、できることは何かないだろうか……。
花澄は考えながら、カタカタとパソコンのキーボードを叩きはじめた。