恋獄 ~ 紅き情炎の檻 ~



クスリと笑い、環は告げる。

花澄は反射的にばしっと環のバスローブの肩を叩いてしまった。


「ちょっと! 環がそれ言うと、冗談になんないんだけどっ!?」

「……そうか?」

「そうかって、あのねぇ……」


花澄ははぁと息をついた。

ちなみにあのバングルは、あの夜の翌日に環が外してくれた。

それにしても……。

昔に比べ、環はやることが少し過激になった気もする。

それとも香港ではこのくらい普通なのだろうか。

……いや、そこはやはり個人の問題だろう。

花澄はペンダントを手に取り、まじまじと見つめた。

星を象った、綺麗なペンダント……。


「……これも、シリウス?」

「ああ、そうだ」

「そっか……」


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