恋獄 ~ 紅き情炎の檻 ~



耳に響くハスキーな声に、腰から力が抜けていく。

思わずしがみついた花澄の胸元に、環の熱い指先が触れる。

指先は胸の膨らみを優しく愛撫しながら、しだいに奥の方へと入っていく。

熱い吐息を漏らしていた花澄だったが、環の手がバスローブの紐に触れたことに気付き、はっと体を強張らせた。

……ここはベランダだ。外から見えてしまうかもしれない。

花澄は慌てて環から身を離そうとした。

が。


「……どこへ行く?」

「っ、環……っ」

「男をその気にさせておいて、逃げる手まで覚えたのか?」


少し険を含んだ環の声とともに、がしっと肩を掴まれる。

はっと振り仰いだ花澄の唇に、再び環の唇が降ってくる。

……奪うように激しい口づけ。

唇を割るように舌を絡められ、強引に吸い上げられる。


「ぁあっ、……ぁっ、環……っ」


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