恋獄 ~ 紅き情炎の檻 ~



言葉とともに、ぐいと足が開かれる。

あっと思った瞬間、熱く固いものが一気に濡れた秘所を貫いた。

卑猥な音と共に奥の感じる部分を突かれ、抉られ、揺すられる。

繋がった部分から生まれだす快感が、花澄の体を一気に燃え上がらせる。


「……あっ、た、環……んあっ、ぁああっ」

「……花澄、……花澄……っ」


環の切羽詰まった声が、熱い吐息と共に耳を溶かす。

欲情に濡れた榛色の瞳が、甘い花の香りが、花澄を情炎の淵に引きずり込む。

体越しに伝わる情熱が、想いが、激しい快感と共に花澄の体を焼き尽くしていく。


────心も体も、ひとつになっていく。


溶けるような快楽の中、互いの境界がなくなっていく。

互いの欠けた部分を補い合い、もともと一つのものだったように、全ての感覚を二人で分け合う。

────互いの、半身。

ひとつになれたことに、魂の底から、涙が出そうなほどの喜びを感じる。

花澄は熱い涙を零しながら、環の背に回した手に力を込めた……。

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