恋獄 ~ 紅き情炎の檻 ~
「……さて、最後は私ですが。ここでひとつ、ちょっとしたゲームをしましょうか?」
暁生は言い、胸ポケットから名刺入れを取り出した。
女性の人数分の名刺を取り出し、まるでトランプのように女性陣の前に差し出す。
「これは私の名刺です。どうぞ一枚ずつお引きください。……ただし、それぞれにちょっとした指示が書いてありますので、ぜひ周りの方とそれをこなしてください」
「えーっ?」
「さ、どうぞ。この名刺自体には、コンビニのレシートと同じぐらいの価値しかありません。ですから気兼ねなく、受け取ってください」
暁生はにこりと笑って言う。
その笑みに花澄はズキッと胸が痛むのを感じた。
……環の笑顔を、つい思い出してしまう……。
しかしそれにしても、暁生のこの手慣れた感じは何だろう。
女性慣れしているというか、なんというか……。
名刺を受取った女性陣から、黄色い声が上がる。